ままはーとについて
ままはーと基本理念
設立に至るまでの想い
理恩が産まれてすぐ、「重度の障害が残る重症心身障がい児である」と説明を受けた時、「私は、この子を残して死ねない。この子の一日後に死にたい。」と強く思いました。
誰しも、我が子の死など望まないし、我が子のお葬式なんて見たくない…
でも「この子の最後を看取れたら安心して死ねる」と思ってしまう複雑な気持ち…
障がい児に限らず、難しい病気などで苦しむお子さんを持つご家族も、少なからず同じ思いを抱えているのではないかと思います。
NICU(新生児集中治療室)入院中は、聞いたことのない病名やお薬の名前を覚えることが精一杯で、先生や看護師さんから聞いたことをネットや図書館で調べました。見たこともないような医療機器に囲まれている息子の姿を前に、この子はどういう風に成長していくのだろう? 在宅でどんな生活になるのだろうか? 私の周りには、障がいがあるお子さんがいる友達もいないし、先生達に聞いてもいまいちピンとこないし、将来への不安と孤独感でいっぱいでした。
そんな、私は独りで孤独だ、と勝手に思っていた時に、私に力を分けてくれたのは、守ってあげないと!と思っていた息子でした。
毎日面会に行くたびに「今日もがんばって生きてくれた!」「今日は少し目を開けた!」と、生きること、命があることの喜びや幸せを改めて教えてもらいました。「この子の一日後に死にたい」ではなく、「私がいなくても、この子らしく生きていける場所、サポート体制を見つけたい」そう考えるようになりました。
今現在、重症心身障がい児や家族へのサポート体制は、しっかり整っているとは言い難い状況です。
医療が発達して、救える命が増えたことは素晴らしいけれど、医療、福祉、行政の連携が不十分で、本人や家族が置いていかれていると感じています。この連携をつなげることができたらいいなと願っています。
特定非営利活動法人 ままはーと
理事長 笠間真紀